BOPセミナー
Date:2015/01/30(Fri)
毎年BMC活動に財政的支援をいただいている(一財)貿易経済協力振興財団(ITIC)と国連開発計画(UNDP)が主催、経済産業省が後援の「BOP・インクルーシブビジネス支援セミナー」に参加してきました。過去数年にわたり毎年行ってきたセミナーですが、これまでは余り英国とは関係ないのではないかとの先入観から参加を見送ってきました。
因みにBOPとは、Base Of economic Pyramid 、即ち、経済的底辺にいる人々の層をさし、インクルーシブは字義通り「包括的」というもので、経済的底辺にいる人々を対象にした包括的なビジネスを推進していこう、そのために色々なツールを提供するし、ノウハウも伝授しますよ、というセミナーです。このBOPビジネスは10年以上前から脚光を浴びてきており、経済的底辺にいる人々が対象ですから一人一人についていえば金額は知れているものの、これをマスとして捉えると大きなビジネスボリュームとなる、というところがミソです。単に消費者としてみるだけでなく、生産者として、或は流通の担い手として、更には教育や保健衛生の分野における関係者としてみる、というように、多面的なアプローチを試みるところがインクルーシブビジネスと呼ばれる所以かと思われます。
普通に考えるとアフリカや、インドを始めるとする南西アジア、などが対象地域でしょうが、これらの地域で成功すれば、そのビジネスモデルは格差の広がっている先進国の経済的底辺にいる人々を対象としても十分通用する可能性があります。なぜならば、BOPビジネスの目指すところは経済的底辺にいる人々の生活向上を目指しているからです。
とはいえ、なかなかこれが難しい。いまのところ大企業でこのBOPビジネスで成功しているところは極めて限定されています。中小企業では徐々に成功例が出てきていますが、正直なところボリューム感は今ひとつといったところでしょうか。
それでも、この分野こそ戦後の日本が辿ってきた道でもあり、日本の企業がこれから大きな役割を果たせる分野ではないかと思われます。